不動産開業の融資審査を通過するための6つのチェックポイントとは?

今回は不動産開業時の融資審査を通過するためのポイントについてお話します。もちろん、金融機関によって審査基準や状況は異なると思いますので必ず審査が通る保証をすることはできませんが、通過する場合の傾向についてはお話しすることはできますので、参考にしてください。

事業性(事業計画)

まずは事業性や事業計画についてお話します。

金融機関に融資を申請する際には事業計画の提出が求められます。

「事業計画」とは簡単にいうと売上のシュミレーションです。また、数字部分以外での提出物については下記「プレゼン能力」にて改めて説明いたします。

前回記事でもお話しましたが、金融機関から見れば新規事業への融資は非常にリスクが高いものです。なぜなら申請の時点では実体のないものだからです。従って、その計画が妥当性があるかどうかが必然的に求められます

売上・利益だけではありません。

例えば立地についても同様です。「なぜ、その場所で出店するのか?」についての妥当性も問われます。不動産事業(特に売買事業)は立地は良いに越したことはないですが、いわゆる「買回品」(=複数店舗を見て回る傾向はあります)「専門品」を取り扱うお店です。つまり、計画購買をするカテゴリのショップとなります。それゆえ、本当にそのショップに行きたい場合はしっかり探して行くことになるでしょう。ただし、良く目につく店舗は行きやすいですし通勤の帰りに立ち寄りたいなどのニーズもあるかと思いますので、いわゆる良い立地であるにこしたことはありません。

話が少し脱線しましたが、出店場所として検討している場合はそれに付随するマーケティングデータにて根拠ある説明ができるという事も重要です。また、実際に店舗契約をしてから来てくださいと言われる場合もあります。それだけ本気度を見られるという事です。

また、事業計画書を策定する際は簿記の知識もあったほうがよいでしょう。少なくとも損益計算書は意味を理解しておきましょう。

その上で、事業計画書=売上シュミレーションを策定する場合は3パターン考えておきましょう。

「一番うまくいった場合」「普通」「一番ダメだった場合」の3つです。

なぜ3つ必要なのか?というと、こういった事業計画は「盛った」計画が多くなります。希望的観測ならばまだしも、明らかに現実的には無理な計画を提出する人も中にはいるかもしれません。金融機関の担当者も全ての業界に精通しているわけではありません。

ですので、フォーマット上1パターンしか記入できない場合もあるかもしれませんが、説明する時に「MAXではこれくらい行ってくれればいいけれど、最悪は○○くらいまで覚悟しています。今回は中間ぐらいで書いていますが、どうでしょう?」という具合で相談すると、相手から見てもキッチリ考えている印象になります。

実際に事業運営が当初の計画通りに上手くいくことはほとんどありません。だからこそ、計画段階でリスクも考慮し、逆に新規事業なのに慎重すぎるのも審査を通す側も考えています。

ですので、しっかり考えていますよというアピールも含めてそれぞれの項目をしっかり検討していきましょう。

経歴(経験)

こちらも事業計画時に書式により記載が必要な場合が大半です。

その中で不動産業の経験の有無が大きく左右される場合があります。特に政策金融公庫の場合6年以上とのホームページ記載もあり、未経験からの独立の場合そもそも審査してもらえない場合もあります。

ただし、直接的な経験はなかったとしても「管理職の経験がある」「不動産投資を○○年やっている」など「経営者としてのその業界で事業運営に役に立ちそうな」経験はアピールポイントとなるでしょう。

従って、こちらの項目も履歴書のようにただ単に経歴を並べるというイメージだけではなく「キャリアの棚卸」や「なぜ、不動産事業をしようと思ったのか?」など動機についても事前に整理しておいて説明できるようにしておきましょう

人物

融資審査の場合、経営者面談があります。

単に事業計画上の数字だけの計画の妥当性だけではなく、経営者の資質も事業成功には大切な要因だからです。面接では、動機や事業に対する想い・事業計画についてなどがヒアリングされその応答態度も審査項目として考慮されます。

特に新規事業の場合は既存の事業がある場合は除いて、実体がないものを審査するわけですので事業妥当性=回収可能性は極論経営者の人間から判断するしかありません。

虚像を作る必要はありませんが、他人が人に「お金を貸しても大丈夫な人か?」を判断する場ですので誠実かつしっかりアピールしていきましょう。

プレゼン能力

こちらも面談に関わる事ですが、単純に資料が読みやすい読みづらいということだけでも相手に与える印象は大きく変わってきます

また、フォーマットに無い資料であっても担当者や支店長が判断する時に必要な補足資料も添付しておきましょう。面談に融資審査に関わる全員が登場するとは限りません。つまり、あったことが無い人も審査自体に関与する場合がもちろんありますので、説明が上手であること以外に説明が苦手であるならば会ったことが無い人間が判断するとしても妥当な判断ができるように特に資料をしっかり作りこみしましょう。

熱意

こちらも大切な要因です。

結局最後は熱意です。繰り返しになり、精神論になるかもしれませんが投資家でも評論家でもないですので当事者としてしっかりやります!だから応援してください!というスタンスがとても大切です。

”Cool head, Warm heart"の精神で頑張りましょう!

支援機関を通す

経営者は一人ではありません。事業運営に様々な支援をしてくれる期間があります。

一つは商工会議所です。

商工会議所では「よろず相談所」としてセミナーや相談を随時受け付けているところもたくさんあります。また、政策金融公庫の商品を利用する場合は特に力を発揮することでしょう。

もう一つは「認定支援機関」と言われるところです。

これは、税理士や中小企業診断士などが取得している場合があります。

こういった士業の方の中には資金調達支援が得意な先生もたくさんおられます。

もちろん相応の支払い報酬必要となってきますが、特に創業したばかりの方や、独立予定の場合商工会議所も含めてプロの力を借りることもありでしょう。

まとめ

今回は融資を通過させるためのポイントについて説明いたしました。

担当者や支店長に「応援したい」と思われるような資料やプレゼンが必要だと思います。

また、特に創業段階や独立準備中など経営について経験が浅い場合は商工会議所や士業の先生などプロの力を借りることも有効でしょう。

頑張ってください。