不動産業界の教育事情とは?

今回は不動産業界の教育事情についてお話していきます。
一般的に不動産業界に限らず大手企業は教育制度が充実しており、中小企業ではなかなか難しい場合が多いかと思います。不動産業界では特にまだまだ「職人的気質」が多少なりと残っていると言えます。つまり、教育についてあまり積極的ではない印象があります。
アメリカでは不動産営業は「エージェント」と言われ、社会的地位も高い職業の一つです。しかし、日本においては知識や経験が必要な職業であるにもかかわらずあまり教育システムが確立しておらず、「生き残った」人が正解かのようになってしまっています。
しかし、不動産営業はお客様の資産に関わる大きな責任を伴う職業です。しっかりとした知識が必要とされます。
今回は、不動産事業を運営していくうえで必要な教育や知識についてまとめておきましょう。
必要な教育とは?

まず、不動産売買仲介を事業としてあるいは営業マンとして活動していくうえで、最低限必要な知識は下記の通りです。
・宅建
・営業知識
・ビジネスマナー
・住宅ローン
・税金関係
以下、それぞれ個別にみていきましょう。
宅建について

宅地建物取引士、通称宅建士は重要事項を説明するために必須な知識となっており、その資格試験にて問われる知識は不動産会社・不動産営業マンにとって必須と言えるでしょう。
宅建の試験には大きく下記主に4分野が問われます。
■ 民法
■ 宅建業法
■ 建築基準法 等
■ 税金
つまり、主に法律と税金の知識です。法律関係が大半ですので、宅建試験は法律系の資格試験と言ってよいでしょう。
営業知識

基本的な営業スキルです。
かつて営業の世界は属人的な世界でした。しかし、現代においては営業は科学です。
不動産経営「広告/ファネル」について説明したのと同様に営業プロセスにおいてもステップをクリアしていくことが必要です。
営業活動の流れは購入顧客の場合、
「反響」→「来店・面談」→「案内」→「買付」→「契約」
となります。
このステップを最終までクリアした方が契約となりますので、各ハードルを超えるためにはスキルが必要となります。
ビジネスマナー

こちらもとても重要です。
現在の不動産取引のプロセスにおいて主流はインターネットに移行しつつあります。対面営業はとても大切なのですが、インターネットやスマートフォンが発達した結果問い合わせ前にある程度「意思決定」してる場合がとても増えています。
言い換えると、対面時には「嫌われないこと」がとても重要になってきています。
自ら意思決定していても、「この人からは買いたくない」となってしまえば他社にて購入するでしょう。
当たり前のことですが、社会人として営業マンとしてマナーや応対をキッチリしましょう。
住宅ローン

不動産売買が賃貸仲介と一番違う点、それは「住宅ローン」の知識が必要なことです。
不動産を購入する際に多くの方は住宅ローンを組むことが必要となります。その際に適切なアドバイスや提案が必須のスキルとなります。
お客様は金利ばかりに目が行きがちですが、金利以外にもライフプランを想定した資金計画の提案が必要です。せっかくのマイホームを購入したばかりにかえって家計が苦しくなって、結果売却が必要となったとなれば本末転倒です。また、購入者の多くはお子様のために住宅を購入される場合が多いですので教育資金を残しておく必要もありますし、お客様ご自身の老後資金も考慮する必要があるでしょう。
言い換えると、住宅ローンを提案するだけでは他の営業マンと変わりがありません。
このあたりはFP等の資格を持っておられる方は有利かもしれません。不動産開業の前に資格の勉強をしておくことも良いかもしれません。
税金関係

法律と並んで必要な知識は「税」関係の知識です。
もちろん、税理士ではありませんので必要な知識は限られますが制度改正も多くややこしいのでしっかり勉強が必要です。
「固定資産税」「都市計画税」などは当たり前のように日々出てくる単語となりますし、相続税に関しても知っておく必要はあるでしょう。
こちらもFPの分野での出題範囲です。
まとめ
不動産売買仲介事業を開業し運営していくうえで、必要な知識をまとめておきました。
こちらの知識を個別に習得していくことも大切ですし、可能かもしれませんが体系的に教育プログラムを提供しててくれる存在としてフランチャイズの活用も一つの手段です。
フランチャイズ本部は加盟店からのロイヤリティを収益にしてるので、加盟店が成長しなければ退会されてしまいます。そのため、教育制度を充実している本部もあります。