不動産業のマーケティングを科学する

今回は「不動産業のマーケティングを科学する」というお話をします。

マーケティングの重要性については、これまでもお伝えしてきましたが「科学する」とはどういうことでしょうか?

ここでは「事実」「数字」ベースに戦略を組み立てる、という意味合いで考えていただければと思います。

これからの不動産業になぜマーケティングの科学的発想が必要なのか?

web集客全盛

現在の不動産仲介はweb集客が全盛です。ポータルサイトを中心に自社ホームページを作られている会社も多いでしょう。

一方、問い合わせする不動産会社の数は以前に比べて減少傾向です。

これは何を意味しているのでしょうか?

答えを推測すると「不動産会社に問い合わせするまでに物件の購入を決めている」ということです。

現在では大半の方はスマートフォンをお持ちかと思います。スマートフォンで簡単に物件検索や不動産購入や売却に関わる情報を入手できることでしょう。

少し前までは不動産屋さんに訪問しないと物件情報や住宅ローンの組み方などの情報は得ることができませんでした。店舗で営業マンから情報を得ることに付加価値があったのです。

しかし、現在では以前は営業マンからしか得ることができなかった情報の多くがインターネット上にもあふれています。

極論を言うと「営業マン要らず」の時代が来ているのです。

スマホ全盛時代に何をすればよいのか?

では、スマホ全盛時代にどのような対策をすればよいのでしょうか?

「不動産テック?」「SEO対策?」

それぞれ正しい答えかもしれません。しかし、本質は違います。

正しい回答は「顧客の行動を理解する」ことです。

実は問い合わせをする媒体の中心がチラシからwebに替わったことで、お客様の行動は変容したように見えますが本質は同じです。

興味関心→情報収集→問い合わせ→購入

この流れは大きくは変わりません。「●●の法則」など顧客行動に新しい法則が論じられていますが、具体的行動の一部が変わっただけで心理的行動の大枠が変わったわけではありません。

以前は「情報収集」のプロセスが不動産会社に依存していたものが、インターネットに移っただけです。

従って、「情報収集」の段階において顧客の頭にない会社は選ばれません。つまり、「情報収集」の段階において顧客との接触頻度を高めればよいのです。

簡単に言うと、対面で話していたことをインターネットに発信すればよいのです。

googleアナリティクスを使えないと正しい分析ができない

これまでと変わることで言えば、「営業」の開始時点で顧客が目の前にいないということです。

対面であれば相手の表情や対応を見て、応対をすればよかったのですがインターネットではそれが「データ」になります。

ニーズが違う顧客に同じことを言い続けても、マッチングしません。「新築希望」なのか、エリアはどこなのか?それぞれ要望は異なります。

それをアクセス履歴をベースに分類整理してくれるツールが「googleアナリティクス」です。

どのページを見てホームページ来たのか?どのページを見たのか?など、顧客情報を整理してくれるツールと言っていいでしょう。

この「顧客情報」を見て方針や対策を決めていきます。

今すぐ客とまだ先客の選別

インターネット上のユーザー対応の流れは

集客→教育→販売

というのが大原則です。

ところが不動産業界で言えばこの「教育」のプロセスが欠けている場合が多々あります

「集客」の時点ではただ「興味」があるだけです。先ほどの顧客行動で言えばまだ第1段階です。
しかしお客様がされたい「情報収集」というプロセスを飛ばして、「問い合わせ」や「購入」を取ろうとするので、逃げられるのです。

「情報収集」を業者目線で見れば「教育」ということです。

もちろん、問い合わせがあってすぐ購入にいたるお客さまもいらっしゃるでしょう。その場合は、「情報収集」を自己完結や「教育」を他社やネットで対応済みという事です。

いわゆるHOT顧客や「アツい」顧客は育成しないと生まれてきません。ですので、集客の前後でお客様の情報不足をフォローアップする仕組みの構築が必要となります。

OODA

そして、このフローを回していくのに重要な考え方が「OODA」です。

「PDCA」という言葉を聞かれたことがある方も多いでしょう。

「OODA」はPDCAよりも短期のサイクルでプロジェクトを回していく際に有効な考え方です。

O→O→D→A

というプロセスをたどりますが、やはり最初の「O」の正確な情報収集がキモです。

それは、前述の通り対面前の対策ですので仮説ベースだからです。ですので、取得した情報がずれていると当然対策が変わってきます。

まとめ

不動産業界もwebやスマホ対応が必須の時代です。

言い換えると集客が難しくなっていている時代です。マーケティングやITは難しい用語も多いのでとっつきにくいとは思いますが、時代に合わせて対応は必要です。

生き残るために、しっかり勉強しましょう。