不動産開業の業務準備③マーケティング自社分析

今回はマーケティングの3回目「自社分析」を行います。

自社分析とは簡単に言うと自社の「強み」と「弱み」を理解することです。独立してあなたしかいない場合はご自身の「強み」と「弱み」と言い換えてもいいかもしれません。

わざわざ分析しなくてもわかってるよ、もしかしたらおっしゃられるかもしれません。しかし、実際にやってみるとご理解いただけると思いますが、頭の中で考えていることを紙やパソコンに書き出してみると内容を整理できるものです。特にマーケティング発想をしていく場合は単純に自社分析をするだけではなく、他の要素と組み合わせていきますのでしっかり形に残しておくと後々の展開がスムーズでしょう。

強み

あなたもしくは自社の「強み」は何ですか?と聞かれると身構えるかもしれません。「そんな…開業したばかりだしないよ」とおっしゃられるかもしれません。

ここでの「強み」はペルソナのお客様が貴社を選ぶ理由と言い換えると分かりやすいかもしれません。お客さまから選ばれる理由が無ければ、当然お客様は貴社を選ばないでしょう。ホームページのコンセプトにも活かしていきますのでしっかり考えていきましょう。

強みなんてないよ…と謙虚な方はおっしゃられるかもしれません。ここでは事業をしていきますので謙虚になっている場合ではありません笑。それでも考えることが難しい方はご自身の経歴を棚卸していきましょう。経歴を時系列に並べて、その中で賞を取ったり他者から褒められたことは必ずいくつかはあるはずです。それがあなたの強みです。

USP

「強み」をより絞り込んでいくためには「USP」という考え方があります。「USP」とはUnique Selling Propositionの略であなただけの強みです。大切なことはUniqueです。Uniqueとは面白いではなく「唯一の」という意味です。つまり、他の誰かではなくあなただけにしか出来ないことです。

そうなると強み発見より難易度が上がりそうに思えますが、ここからの作業は掛け算です。

「強み」で見つけた項目を掛け合わせていきます。

あなたが30代でリフォーム業をされている会社にお勤めされていて独立予定とします。そうすると「30代」×「リフォーム対応可能」という掛け算の強みが生まれます。「30代」が強みになるのか?とおっしゃられるかもしれません。しかし、ペルソナの多くの方=住宅を初めて購入される方は30代の方が多くなります。子育てされている方も多いでしょう。そうすると世代で共感を生むことができます。

年齢区切りではなく、例えば不動産を相続した経験がある場合は売却専門店で活きる事でしょう。お客様の立場で「○○という事に困った」ということを体感しているはずです。リフォームと掛け合わせるならば、「お客様目線で不動産売却×リフォーム」を提案できるサービスを提供できるはずです。

掛け算を増やしていくと、あなただけにしか提供できないサービスが出来上がるはずです。

弱み

強みの分析が終われば「弱み」も分析しましょう。

会社としての弱みで言えば「経験が浅い」「知識が乏しい」「資金力」等もしかしたら弱みばかりだと考えられるかもしれません。

しかし、弱みのない企業などありません。大企業だって弱みはたくさん存在します。大企業は大企業であることが弱みでもあります。「柔軟性」や「機動力」に大企業は欠けるはずです。

社内分析ですので公表するわけでもありません。どんどん整理していきましょう。

弱みのカバー策

さて弱みを整理したらそのカバー策、対策を考えていきましょう

当然弱みをそのままにしておくわけではありません。弱みを強みに変えることはもちろんしていきますが、弱みをさらけだして強みのように発信することもできます。

例えば、弱みが「1人でやっていて数多く対応できない」という事であるとします。

その場合、例えば「当社は代表が1人で運営している小さな会社です。数多くの案件に対応することができません。しかし、その分代表自らが責任を持って地元密着で一人一人のお客様に向き合って丁寧に対応していきます。」というように言い換えることもできます。大企業では社長の顔が見えないこともしばしばです。「代表自らが責任を持って対応」「地域密着」というお客様が貴社を選ぶ理由を作ることができました。

このように、弱点はありますが同時にそれをカバーする表現や対応が必要です。

まとめ

今回は自社分析、「強み」と「弱み」の考え方を解説してきました。

単純な項目整理のように思えるかもしれませんが、「来店する価値」が無い店にお客様は訪れません。お客様にアピールできる重要な考え方です。

また補足すると開業時に融資を受けられる場合は金融機関に上記のような説明やプレゼンが必要です。頭の中にあるだけではなく、キッチリと他人に説明できるようにしておくことが大切です。

参考になれば幸いです。