不動産開業の採用活動方法は?

今回は「不動産開業の採用活動方法」についてお話します。

当ブログの読者の方はもしかしたら独立後まずは一人で事業を立ち上げていきたいという方も多いかもしれません。もちろん、当初から固定費を抱えるリスク等検討事項はあるかとは思いますが、もし仮にご自身で宅建士の資格をお持ちでない場合開業においては採用活動をする必要があります。

不動産の開業要件には「5人にあたりにつき専任の宅建士を1人置くこと」が条件となっていますので、宅建士がいなければ開業できません。また、いわゆる「名義貸し」も不法行為となりますのでやってはいけません。

ご自身が宅建士であった場合であったも、事業をある程度伸ばしていく際には人材の力が必要になる時が来るでしょう。

その時の参考になれば幸いです。

主な採用媒体

採用活動を行う場合基本的には採用広告を利用する場合が多いかと思います。もちろん、それが全てではありませんがある程度選抜していきたい場合は応募者の供給が多い採用広告を利用することは有効でしょう。

では、以下具体的に媒体別に特徴を説明していきます。

転職サイト


「リクナビ」「マイナビ」などに代表されるインターネット採用広告媒体です。また近年ではリクルート傘下の「indeed」がかなりスタンダードになってきました。

基本的には「採用募集広告の枠」を買うイメージです。

運営会社も事業になりますので、上位表示されるためにはある程度資金投入が必要となってきます。最終的な一人当たりの採用コストは50〜100万円と言われることもあります。(反響コストではありません)。運営会社でCMをやっている場合も多いですので、集客力は魅力です。

ある程度候補者を集めて選抜していきたい場合などには有効な手段でしょう。

不動産開業の場合、注意しなければならないのが募集広告掲載のタイミングです。

サイトによっては「宅建業免許」があることが掲載の条件になっている場合があります。言い換えると、開業申請のための宅建士募集には利用できない場合があるということです。各社に事前に相談して掲載条件を確認しておきましょう。

転職エージェント

エージェントとは代理人です。

プロスポーツ選手の代理人のように、担当エージェントがマッチングを提案したり条件交渉などをしてくれるサービスです。費用は最終的に採用した方の入社後の年収の数十%という成功報酬の場合が多いです。

企業側担当と応募側担当が分かれていることが多く、それぞれの意思疎通が出来ているとお互いのニーズにマッチした採用が可能です。募集広告だけでは伝わらない自社の魅力を伝えてくれると応募者も興味を持ってくれる場合も多いです。

特に管理職候補を採用したい場合は有用でしょう。

紙面広告

かつては採用広告の主流でした。紙面広告の中でも「雑誌(フリーペーパー)」「折り込み共同広告」「新聞広告」などがあります

現在はweb媒体に移行している場合が多いですが、特にエリアを絞った採用活動の場合はまだまだ有効な場合もあります。web媒体でもエリア絞り込みはできるのですが、世界中どこからでも見ることができるのがインターネットの強みでありエリア限定になった場合多少のロスが出る可能性もあります。

フリーペーパーは行政区単位の中でさらに区分されている場合もあり、まだ行政区にあてはまらない地元の慣習的な区分に合わせている場合もあるでしょう。

以前ほどのパワーはありませんが、有効な場合もありますので担当者の話を聞いてみるのも良いでしょう。

ハローワーク

ハローワーク=公共職業安定所での募集活動です。

基本的に無料で掲載できますので、必ず登録しておきましょう。ハローワークは職業訓練も実施していることが大きな特徴となりますが、不動産関連の資格取得を奨励する講習はありませんが事務系の資格についての講習は幅広く行われています。

採用というと営業マンばかりに目がいきがちですが、物件登録は事務スタッフに作業を依頼する事が多くなります。また、昨今は営業活動における広告掲載もインターネットが大半です。場合によっては、営業マンの採用より大切な場合もあります。

いずれにせよ、無料で掲載可能ですので必ず登録しておきましょう。

縁故採用

知人からの紹介やご自身の人脈からスカウトするパターンです。

仲介者の方の推薦であれば良い人材であることも多いでしょう。ただし、それだけに盲目的に過信するのはあまり良くありません。実際に働いてみると・・・ということもありますので、ご紹介には感謝しながら慎重に面接していきましょう。もちろん人によるかとは思いますが、「誰々さんの紹介だから」と謙虚な姿勢を忘れる人間もいるかもしれません。

採用コストを抑えたいからと言って、縁故採用のみにこだわらず幅広く活動していきましょう。

その他

さまざまなTipsはありますが、店舗に募集広告を掲示するのも有効な手段です。店舗が確定し入居すればテナントは利用可能です。

不動産経験者?未経験?

採用活動においてよく聞かれることが、「経験者採用or未経験採用」ということです。

もちろんどちらもメリットデメリットがありますが、未経験から独立される場合一番はやはり不動産取引の慣習・法律概念など経験がものをいう要因についてカバーするためには経験者の方にはいってもらうこともよいでしょう。

ただし、注意点はその経験者が自分の経験だけが正しいという判断をしていないかという視点をもつことです。
不動産業は確かに経験があれば有利ですが、業種の幅も広く地域によって慣習が違う場合も多いです。その場合に自分の経験が正しいとばかり主張して、社長であるあなたを見下したり、お客様に対しての対応が不遜であったりしたとしたらよくないでしょう。

一方未経験者を採用するメリットは色に染まっていないので素直であることですが、デメリットはもちろん経験不足です。あなたが未経験である場合、売上があがってくるペースが遅くなるかもしれません。その分の固定費をカバーできる運転資金を事前に確保しておくことが重要でしょう。

個人的なオススメは、賃貸経験のある営業マンの採用です。

賃貸営業マンは当然売買営業マンに比べて応対の数が断然多くなります。また、顧客層も学生からシニア、あるいは法人などあらゆる顧客に対応していますので、柔軟に対応してくれるでしょう。

仲介の仕組み自体は基本的には似ていることが多いのでそのまま応用できるスキルも多いのですが、注意する点は「住宅ローン」についての知識です。賃貸においてはその知識、提案スキルは特にありませんが(オーナー対応について住宅ローンというか資産活用提案の知識は必要あり)売買では必須スキルです。

それぞれにメリットデメリットがありますが、上手くチームにまとめて運営していきましょう。

まとめ

不動産の採用活動はまず必須の宅建士採用から始まります。当面一人で運営したい方は宅建士の資格を取得しておきましょう。

採用は現状web媒体が大半ですが、費用対効果を考慮して予算を組みましょう。

経験未経験は一概にどちらが良いかとは言えませんが、あなたが作りたいチームの方向性に合わせて良い店舗をつくりましょう。